ゆるやかな坂道を上がると、左に90度曲がる道の突き当たりに空き地になった敷地はあった。敷地に立って今来た坂道を振り返ると、直線状に長く続く街並みがとても印象的に見える。また逆側、羽根木公園の森を見ても、この景色を家の中にうまく取り込めば、あたかも森の中に住んでいるような気持ちになれるのではないかと考えた。しかし、このふたつの対照的な景色をピクチャー・ウィンドウにするにはまったく違うかたちのフレームを用意する必要があった。厳しい北側斜線によって切り取られるマキシマムに近いヴォリュームの東と西に建築の輪郭でピクチャー・ウィンドウをつくる。東側の直線的な街並みはあえて曲線の架体で柔らかく切り取った。その上部、弧を描くフィックス窓は空を仰ぎ、その下は両側に窓を引き、視界から窓がなくなる水平なフレームで住宅街を切り取った。公園のある西側の窓はあえて抽象的な白いシャープな開口にし、窓を全開にできるようにすることで、森の写真をコラージュしたかのような背景をつくった。
















