美術館を楽しむ行為と公園のアクティビティが分離されたものでなく、美術館の中から自由に公園へ出たり、公園に来た人がいつのまにか美術館に入り楽しめるような、両方の機能が一体に連続したようなビルディングタイプを考えた。そこで、さまざまな大きさのギャラリーを上に重ね、それらがずれた屋根上を公園として連続させ、個々のギャラリーの隙間から美術館の中に出入りできるようにした。台南は一年中日射が強いので、建物全体に日陰を作るため、五角形のフレームの上に大きなフラクタル屋根を作った。「フラクタル日よけ」は京都大学の酒井敏先生が開発した、塩ビ製のパラゴラタイプを、酒井先生と共同で金属の大きな屋根の覆いとして開発した。また、1館は台南警察署跡地の既存の建物を改修して新しいギャラリースペース、管理事務所、フードコートとし、その脇の新築建物にはギャラリースペース、収蔵庫、搬入口を入れた。