ユネスコの世界遺産に登録されている南仏のニーム近郊にあるローマ時代の水道橋ポン・デュ・ガールの横に紙管でできた歩道橋を建設した。敷地の状況と、構造的合理性から太鼓橋の形状が選択された。ポン・デュ・ガールの「石」という重く、硬く、そして永久性のある素材と、「紙」という軽く、弱く、そして一見短命に思われる素材の材質的なコントラストを見せつつ、紙の橋のアーチの形状をポン・デュ・ガールのアーチと同寸法の円弧とすることで、両方の調和が図られている。構造的には、直径115mm、厚さ19mmの紙管と紙管を繋ぐスチール・ジョイントに、ケーブルでポストテンションを入れてアーチをつくっている。