楕円虚の家

敷地は典型的な造成地に、南側の宅地内道路と北側の交通量が多い幹線道路に挟まれた、何の変哲もない長方形の土地である。これといった特色も見るべき景色といったコンテクストもまったくない。そこにあえて寄せ棟屋根のヴォリュームを置き、中にコートヤードをつくることにより、内外の関連を積極的にもたせることにした。長方形の中に四角いコートヤードをつくると、四辺に四つの別々なゾーンができてしまう。それよりは全体の内部空間が流動的に連続するように、楕円のコートヤードを、少し角度を振って配置することにより、長方形と楕円の間に質の違う空間が生まれるようにした。

image_pdf