2024年1月1日に発生した能登半島地震の被災地において建設した恒久的な利用を見据えた木造の仮設住宅。DLT(Dowel Laminated Timber)とよばれる、木材同士に木ダボを貫通させたパネルを、箱型にして千鳥に積むことで、短期間での建設を実現した。一般的な仮設住宅の供与期間は2年間で、その後解体されることになるが、仮設住宅の期間が終了したあとでも解体せずに恒久的な住宅として利用できる計画とした。珠洲市の見附公園に9棟135世帯、輪島市内に3棟31世帯の住宅を建設している。
珠洲市見附島におけるDLT恒久仮設木造住宅の建設
6月20日、建設予定の9棟(135世帯)のうちの30世帯分が完成し、引き渡しが行われた。室内には備え付けの家具やテーブルのほか、アーティストの鴻池朋子さんによるカーテンも設置されている。
所在地:石川県珠洲市 見付公園
施工:石川県建団連
DLT材供給:長谷川萬治商店
協力:鴻池朋子、和信化学工業株式会社、シネジック株式会社、株式会社 良品計画
鴻池朋子さんによるカーテン。手芸をする方々に協力を呼びかけ、それぞれ自宅にある布でカーテンを縫ってもらい、そこにウクライナの詩からイメージした作品のモチーフが刺繍された。(6/14)
DLT 恒久仮設木造住宅の特徴
・DLTとは、製材を並べて穴をあけ、木ダボを差し込んで製造された積層材のこと。製造時に接着剤や釘を使用しない
・DLTは接着工程が無く、大規模な製造設備が不要であるなど加工工程が単純であるため、地元の中小規模の木材事業者が取り組みやすい材料である
・箱型ユニットとしたDLT材を千鳥状に積層させることで、短期間での建設が可能
・内装をDLTのままとすることで、木の素材感を活かした室内空間を実現