01 敷地視察
2017年3月にUN Habitatはケニヤ北部にあるカロベイエイ難民居住区の計画を開始しました。その居住区では南スーダンなどから17000人以上の難民が押し寄せ、住宅の設置が急務となっています。UN Habitatからモデル住宅設計の依頼を受け、現地にて伝統的な工法と利用可能な材料について調査しました。
現地の住宅建設
現地の住宅建設視察
コミュニティスペース
一般的なシェルター
一般的なシェルターの内部
02 プロジェクト概要
紙管を用いたTYPE A 、 木とブロックを用いたTYPE B 、圧縮土ブロックを用いたTYPE C という3つの異なる住宅を提案しました。住民は3つの中から住みたいものを選ぶことができます。
Type A : Paper Tube
Reference : Paper Loghouse Turkey / Paper Loghouse India
Type B : Timber Frame
Reference : Khumjung Secondary School / Nepal House Project
Type C : Compressed Earth Block
Reference : Kirinda House
03 プロトタイプ建設
2018年2月に3つのモデル住宅がカロベイエイに建てられました。3月初めには大規模な建設のフェーズに移ることが計画されています。
Type A : Papertube
TYPE Aは構造と非耐力壁に紙管を使用しています。このデザインは今までの紙管の住宅と、枝をひもで結んで住宅をつくる現地工法を組み合わせています。この住宅は特殊な施工技術が不要で、住民が簡単に組み立てることができます。編むことに慣れたカロベイエイの女性たちもワイヤーで壁用の紙管を固定しました。
ナイロビ近郊の紙管工場
紙管組立て開始
女性が壁の紙管をワイヤーで編んで固定 / Women Weaving the Enclosure Wall
内部 / Interior
窓の施工
Type A 竣工
Type B : Timber Frame
TYPE Bは構造にモジュール化した木のフレーム、間仕切り壁に一般的なブロックを使用しています。この工法は2015年のネパール地震でのネパールプロジェクトにて最初に用いられました。木のフレームは前もって組み立てられて現場に運ばれるため、とても速く施工できます。木のフレーム設置後は、その間を埋めるブロックを住民でも簡単に積むことができます。
木フレームの設置開始
上棟
内部
ブロック工事の準備
フレーム間を埋めるブロック工事
Type Bの竣工
Type C : Compressed Earth Block
TYPE Cは構造と仕切り壁の両方に圧縮土ブロック(CEB)を使用しています。そのブロックは敷地近くの土を押し固めたもので、ブロック同士がかみ合う形状にすることで構造にも使用しています。この工法はスリランカの津波後のキリンダ村復興プロジェクトで用いられました。
かみ合う形状の圧縮土ブロック
圧縮土ブロックの組積1
圧縮土ブロックの組積2
Type C の竣工
04 現地視察2
2017年3月にUN Habitatはケニヤ北部にあるカロベイエイ難民居住区の計画を開始しました。その居住区では南スーダンなどから17000人以上の難民が押し寄せ、住宅の設置が急務となっています。
2018年7月23日にKakumaのキャンプで坂によるプロトタイプの確認が行われました。これまでに作られたプロトタイプのほかに、南スーダンで見られる木の枝でできた住まいを参照したモデルや、リビングスペースを広めにとった木フレームにブロックを積んだモデルの確認が行われました。
Photo : Takeshi KUNO
Photo : Takeshi KUNO
Photo : Takeshi KUNO
Photo : Takeshi KUNO
Photo : Takeshi KUNO
Photo : Takeshi KUNO
Photo : Takeshi KUNO
Photo : Takeshi KUNO
05 進捗報告 + プロトタイプ建設2
– カロベイエイ難民キャンプにて住宅8棟を建設
2017年3月にUN Habitatはケニヤ北部にあるカロベイエイ難民居住区の計画を開始しました。その居住区では南スーダンなどから17000人以上の難民が押し寄せ、住宅の設置が急務となっています。
2019年1月中旬から、木フレームにブロックを積む工法によって、2つの部屋と半外部の居間のある8棟の住宅の建設が開始しました。2019年8月末に竣工する予定です。
木フレームの制作
木フレームの設置
上棟
外観
現況
– ナイロビにてプロトタイプを建設
カロベイエイ難民居住区の住宅に用いられる、木フレームにブロックを積む工法がどのようなものか示すため、似た工法のプロトタイプをナイロビにて2019年6月に建設しました。職人の手によって一週間で完成しました。
この建物は数カ月後にナイロビのスラムでコミュニティセンターとして再利用する予定です。
木フレームの制作
木フレームの制作
棟上げ
フレーム間を埋めるブロック工事
竣工