2008年5月に発生した中国四川省大地震後に、日中の大学が協働して、被災した小学校に紙管を構造とした仮設校舎を設計・建設したプロジェクトである。地震後の復興支援が仮設住宅の建設に集中するなか、後回しにされていた文教施設の再建のため、不適格建築の指定により立入り禁止になっていた校舎の建替えを成都市成華区教育局より依頼された。そこで、安価でかつリサイクル・リユースが可能であり、現地調達できる紙管の利用を特徴とした仮設校舎の設計を行い、延べ120人の日本人および中国人のボランティアが夏休みを利用して両国間の理解を深めながら協力して施工を行った。未熟練労働者であるボランティアでも建設できるようシンプルな構法や施工計画を立案し、適切なプロジェクト管理により3棟(9教室)の校舎を約40日の工期で完成することができた。中国国内では初の紙管による建築であり、最も早く実現した被災救援の校舎である。