2018年に完成した「ししいわハウス」の南に、宿泊に加えてレストランなどのパブリックな機能をもった2つ目のプロジェクトとなる。 1つ目の「ししいわハウス」は敷地に比較的余裕があり、木々を避けるように蛇行した平面計画としたのに対し、今回はタイトな長方形の敷地から、2階建ての単純な長方形プランとした。 客室は１階に計画し、切り妻屋根により豊かな断面空間をとれる2階をパブリックスペースとした。 切り妻屋根の木造小屋組は薄い板材を重ね合わせたトラスを組み、ひとつの大空間として、広いテラスをつくり外部まで連続させた。必要とされる小室（ワイン・ウィスキーバー）は独立した箱として大空間の下に配置し小屋組みを透して体感できるようにした。 １階の客室は木造のシンプルな空間に檜風呂をオブジェのように置いた静的な空間とし、2階のダイナミックな木造空間の対比を体験できるように考えた。建物とランドスケープを一体として体験できるように、２階のテラスまで続く空中のスロープを計画した。
