パリ市を囲う環状高速道路の上に架かる歩道橋のプロジェクトである。現在パリ市北部では再開発が行われており、この歩道橋は再開発地区とその北に位置するオーベールヴィリエ市を結ぶ、市民の新たな交通経路として計画されている。 本プロジェクトでは唯一の再生可能な構造材料である「木」を使い、高速道路に架かる世界初の木造歩道橋となっている。耐久性に優れたAccoya(アコヤ)を使用することで、高速道路の上という厳しい環境条件下であっても木材のみの構造が可能になっている。アコヤとはアセチル化することで耐久性を飛躍的に高めた、世界最先端の無垢木材である。
樹木で覆われた木のデッキの斜路を通り抜けると高速道路に架かる「木のトンネル」に至るというシークエンスが意図されており、喧騒の中にあって木に包まれた安心感のある、緩やかな交通の流れを市民が享受出来るようになっている。